社内転身で総務に異動してから最初に思ったことです。
総務の人は、会社の外に出かけていくことがあまりなく、自分の会社以外のことを目にする機会が圧倒的に少ないということです。
総務のユーザーは社内にいるので、自社のことを考えていれば、他社や他者などほかのことは関係ないという理屈があるのだと思います。
また、総務の仕事は、これまで積み上げてきたものや、諸先輩の残した手順やマニュアルのとおりにやっていれば間違いがない、という強い思いもあります。
あえて他を知る必要もないと感じている総務メンバーは本当に多いのです。
私は直前まで技術部門に席を置き、総務に新たに配属されたばかりでしたので、他社を気にして仕事をする技術部門と、自社しか気にしていない総務部門のその差が大変気になりました。
技術者は、技術講習会や学会に出かけていき、展示会などにも参加して、刺激を受けながら「創造」をするのが仕事です。
競合他社の新製品を調べるために、購入して自社の製品との品質や耐久性などの性能を比較してみたり、分解して観察してみたり、文献や特許を調べてみたりと、自分たちの製品と比べる作業ばかりを繰り返しています。
競合という言い方はしますが、技術者が他社の製品を知ろうとするのは、競争をするためだけではありません。他社の製品に新しく投入された技術や機能を調べることで、知らなかったユーザーニーズが見えてくることがあります。
どこの会社の技術者も、ユーザーが欲しがる使いやすい機能を開発するのが目的であって、便利に使ってもらって、効率が良くなったと喜んでもらえるように、新しい技術を搭載した製品を作って、ユーザーニーズに応える努力をしています。
総務のユーザーは、社員や役員など社内の人になりますが、そのユーザーの最新のニーズは把握できているでしょうか。あるいは社員や役員の困りごとに対して先回りして提案できているでしょうか。ニーズに応えるために、新しい取り組みを考えて、世の中にある仕組みや商品を調べたり検討しているでしょうか。
世の中が進めばニーズも変化します。間接部門である、総務、人事、経理へのニーズが変化していないかというと、社内とはいえ少しずつ変化しているはずです。
ニーズの変化に応えられる発想力を身につけるには、ほかを知って、比較をはじめることが大切になります。
どんどん会社の外に出かけていって、刺激を受けて、吸収して、新しいニーズに応えられるように準備をしておくことが必要だと思います。
総務の皆さんも目的をもって、会社の外に出かけていくことをお勧めします。
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