食事に関する提案書の中身
各社から提出いただいた提案書は、本当によく考えていただいた内容になっており、特にメニューの豊富さには驚きました。
当然ですが、メニューの豊富さがコストに跳ね返ってくる会社と、コストを抑えながらもたくさんのメニューを考えてくれる会社にわかれました。(提案書と見積りはじっくり分析しました)
特に大手の食堂業者さんに多かったのは、いわゆる専門店とのコラボによって、フードコート形式で数店舗を作って提供するというものでした。
和食専門、おにぎり専門、ラーメン専門、中華料理専門、餃子専門、ステーキ専門、とんかつ専門、牛丼専門、カレー専門、オムライス専門、イタリアンパスタ専門、ピザ専門、サラダ専門、スープ専門、コーヒー専門、ドーナツ専門、サンドイッチ専門など、会社のなかの社員食堂では考えられない夢のような提案が各社からありました。
次に多かったのは、松花堂弁当の形式やパレット形式で、好みの小鉢を複数選んでセット販売してくれるというもので、これも選ぶ楽しさの幅が格段に広がります。
温かいものと冷たいものをすぐに食べたいという要望には、オープンキチン、ライブキッチンによる提案がありました。
注文を受けてから目の前で作りはじめて調理したものを直接提供してくれるというもので(当時はこのスタイルが流行はじめたころでした)、 オムライス、パスタ、ステーキなどなど、待ち時間が長くなるデメリットはありますが、並んで待ってでも食べたい人からのクレームは、結局ありませんでした。
たくさんの提案があったので一度に紹介しきれませんが、豊富なサイドディッシュ、焼きたてパンやデザートなど、追加の一品が選べることは、定食を選んだひとにも喜ばれるものになっています。
最後に、食事に関する安全、衛生、健康、環境に配慮する内容なども、各社の提案書にはしっかりと記載されておりました。
食後も楽しい食堂に関する提案書の中身
食後のことを考えた食堂運営提案は、さぞかし難しかったと思います。食事を提供するプロが、食堂の回転率を下げる工夫を考えなくてはならないのですから。
出された提案を簡単にタイプ別にすると、
- 運動ができるアクティブスペース
- 横になれる公園ライクなスペース
- 催事や買い物ができるスペース
- コーヒーを飲みながら本が読める
苦労して考えていただいた提案書の内容には感心するばかりでした。
アクティブスペースでは、食べた分のカロリーをなるべく消費してしまうというヘルシー志向の発想です。
食事のあと精算の際には摂取したカロリーがわかりますので、アクティブスペースには体重計やカロリーの測定機も置いて、運動によって消費したカロリーと突き合わせができるというものです。
また、データを吸い上げて産業医や看護師も閲覧できれば、健康診断でアドバイスに使えるなど、発想はどんどん膨らんでいる提案になっていました。
横になってリラックスするというのは、研究開発現場で自由な発想を引き出すためのスペースでは聞いたことがありましたが、食事のあとで横になるのはあまり聞いたことがありません。
食事のあと横になるだけですと、やや不健康な感じもしますが、提案ではアロマセラピー、酸素カプセル、マッサージ機、シアターや音楽ライブコーナーを設けて、横になりながら、ゆったりとリラックスするというものでした。
催事スペースの提案はスクールが多く、料理教室、茶道教室、ヨガ教室でしたが、ゲームコーナー、カラオケコーナーという提案もありました。また、お買い物はデパ地下の専門店街にあるようなものを、お土産として持ち帰ることができるというものでした。
ブックカフェも当時流行っていた店舗形式でしたが、焼きたてパンやケーキが置いてあるカフェや売店に併設したイートインスペースで本を読めるようにするというものです。
ここでは食堂業者さんからの提案内容の紹介にとどめますが、実際に社員食堂フロアーに展開した内容もありました。それらも社員代表者に協力してもらって会社の外に調査に出かけ、アンケートを実施したりコスト効果も考えながら決めていったもので、個別に紹介記事は書き残したいと思います。
食堂業者さんからは本当にたくさんの提案を出していただき、見ているだけでワクワクする提案ばかりでした。
食事も食後も楽しい社員食堂になりそうです。
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